2017年04月19日

小諸ラプソディ

小諸のイメージは暗かった。「小諸なる古城のほとり」が、何となく夕暮れを感じさせていたから。

東京を離れてどこかに住んでみよう、という思いで、軽井沢観光の合間に「ペット可賃貸物件」を探した。

これは、というマンション(鉄筋アパート?)は小諸にあった。スーパーとホームセンターが目の前。そばに公園もあって犬の散歩もできる。

部屋は3階の2LDK。北側の窓から見える浅間連山が、目の覚めるような美しさだった。「とりあえずここに住もう」ということになった。

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小諸駅はマンションから車で10分ほどの距離にあった。駅から続く街並みは、昭和40〜50年代風。行き交う人も車も少なく、シャッターの下りた店が多い目抜き通りは、時代に取り残された町、という感じだった。

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(駅そばにある古いお店。閉店?)

マンションの近隣にある二つの公園。両方とも広いが犬が走れる広場がない(一つの公園にある広い芝生は犬禁止)。そこまで行く道は、歩道はあるけれど狭く街路樹がない。

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(地方都市は、周囲が山や森だらけなので、市街地に緑は必要ないと思っているふしがある。)

どの地方都市も同じだが、小諸市も歩道が少ない。そのため犬の散歩が落ち着いてできない(車に気をつけなければならない)。歩道には街路樹がほとんどないため、夏場の散歩は直射日光に晒される。

こちらに移住するまで15年住んだ多摩ニュータウンは、「公園都市」であり「森の都市」。どの車道にも広い街路樹付きの歩道が左右にあり、あちこちに公園があり、木陰がやさしく、緑にあふれている。保守管理も行き届いている。どんな公園にも犬が入れる、ペットと暮らすのにも最適の街だった(飼い主のマナーもしっかりしている)。

WakabadaiPark.jpg
(多摩NT若葉台の公園。休日は家族連れキャンパーでにぎわう。)

WakabadaiStreet.jpg
(多摩NTの標準的歩道と街路樹)

小諸は、そんな多摩NTとは真逆の街だった。

しかし「とりあえず小諸」だったので、何とか我慢し、その間に物件探しをした。移住の候補地は佐久市だったが、多摩NTの環境に一番近いと思えた軽井沢に適当なリゾートマンションを見つけて引っ越し、小諸での3ヶ月の生活は終わった。

軽井沢に引っ越してからも、小諸は近いのでしばしば訪れる。

タイヤを冬用に取り替えるタイヤ店、東京で使っていた都市銀行のATMが使える唯一の銀行、たまに食べたくなるケンタッキーフライドチキンの店、テラスでペットと食事ができる、手入れの行き届いた美しい芝生のある駅前の「停車場ガーデン」。もろもろの用事で小諸に行く。

KomoroTeishaba.jpg
(駅舎と「停車場ガーデン」のテラス席)

小諸に来る度に、「この町は知っている、かつて住んでいた町」という既視感が生じる。当然だ、住んでいたのだから。

そして時間がたつにつれ、何か懐かしい、親しみがある、故郷(ホームタウン)みたい、小諸が好きになってきた、住んでいるときには見えなかった良さが見えてきた。

そこそこ古い街並みが点在している北国街道沿い。四季折々の美しさが楽しめる懐古園(小諸城)。空間的な躍動を感じさせる坂道。廃れた街並みと思っていたのに、ゆったりしていて心地良い。

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(小諸城の城壁)

最初は、移住地への足がかりとして「とりあえず」の小諸だった。

今は、長野における私たちの「故郷(いなか)」として小諸がある。

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(駅から伸びる目抜き通り。この二三年で歩道と道路がきれいになった。)



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posted by ロンド at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
プロフィール
ブログネームは、ロンド。フリーの翻訳者(日英)。自宅にてiMac を駆って仕事。 2013年に東京の多摩ニュータウンから軽井沢の追分に移住。 同居人は、妻とトイプードルのリュウ。 リュウは、運動不足のロンドを散歩に連れ出すことで、健康管理に貢献。 御影用水温水路の風景に惹かれて、「軽井沢に住むなら追分」となった。