2017年05月29日

モグラ大戦


モグラ。土の中に「もぐる」から「モグラ」と思いきや、関係ないそうです。江戸時代の名前は「ムグロモチ」。「土を盛り上げる」というような古語から生まれた名前というのが有力な説。
 
そんなことはどうでもいいのです。モグラは我が家の大敵ですから。庭が荒れ放題のときはかまいませんが、芝を貼ったあと、せっかくきれいに出そろった芝生に大きな穴を何カ所も開けられたらたまったもんじゃありません。

このモグラ塚、穴を塞げばいい、というものではないのです。その開いた空間に、もう芝はないのです。おまけに掘り出された土で、穴の回りは広範囲に土だらけ。穴を塞いでも、次の朝には、また土を盛り上げます。

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(モグラ塚があちこちできた無残な芝生)

しかも、簡単に駆除できない。ネズミや虫のように「殺鼠剤」とか「殺虫剤」のような「殺モグラ剤」は効果がないのです(売ってもいない。売っているのは忌避剤)。そもそも地下に潜っているからどこにいるかわからない。好物のミミズでさえ死んでいるものは食べないのですから(生食グルメか!)、毒入り誘引剤のようなものを作ったにしても口にするはずはないのです。

温厚(そう)な私がつい切れて、モグラ穴にホースを突っ込んで水を出しっ放しにしました。溺れさせてやろうと。ところがいくら水を入れても溢れ出てこない。そんなにトンネルネットは広大なのか!!
 
モグラ叩きどころか、姿さえ見えないのだから、手に負えません。

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(根こそぎ持ち上げられて、涙が出るほど痛々しい)

こうなったら徹底的に闘ってやる、と思っていろいろ調べたら、なんとモグラの祖先、「原モグラ」は、霊長類のご先祖様でもあるらしいのです。恐竜たちが死に絶えたあと、原モグラは「これで自分たちの天下だ」と思いきや、急速に勢力を拡大してきた親戚の齧歯類(ネズミの仲間)に縄張りを取られて、地下に潜って生き延びた。それが今につながるモグラの始まり。

ところが地下の代わりに樹上を避難場所に選んだ原モグラの仲間がいた。それが、原猿となり、最終的に霊長類そしてヒトとなった。
 
これは一つの説ですが、とにかく霊長類の元は、地上をこそこそ隠れるように這い回っていた小さな哺乳類だったのは間違いないようです。ネズミに破れ、木の上に逃げた。そのための、かぎ爪とか必要な変化も成し遂げた。そして逃げたところ(樹上)が、天敵が少ない素晴らしい住みやすい世界だったようで、世界中に広がり、最終的に高い知能を獲得した。

逃げると、新しい道が開ける、ということもある。逃げるところがあれば、人生逃げてもいいんじゃないでしょうか。
 
いずれにしても、モグラとヒトは私が思っていた以上に、つながりがあったんです。それを知ったら、何だか「モグラとの戦争だ」とも言えなくなってしまいました。

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(実物を見たことないモグラ、のぬいぐるみ)

とりあえず今はおとなしくなっている(時期的なものか)我が家のモグラ。全面対決は避けたいものです。


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2017年05月25日

軽井沢に住む - 土地を買う その3 市街地の住宅地


「1000平米規制がない市街地(第1種住居地域など)」の対象地域は、簡単にいえば市街地。軽井沢駅周辺や中軽井沢駅周辺の住宅地は、これに相当します。

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(軽井沢病院そばの分譲地 - 資料写真)
 
また昔から人が住んでいた場所も、第1種住居地域なので、300坪規制はありません。例えば、中軽井沢の南西部(国道18号とバイパスに挟まれた地域)、借宿周辺や国道18号北側の浅間台団地周辺などです。こうした地域は、一部をのぞき森がありません。住宅地の区画も狭くなり100坪以下もあります。
 
森がないので、地方都市の都市生活とあまり変わらない生活ができます。ツルヤ軽井沢店周辺であれば、とても便利な都市生活ができるし、旧軽へも森の中へも行こうと思えばすぐ行けるし、リゾート気分をすぐに満喫できます。

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(中軽井沢のツルヤ軽井沢店)
 
こうした都市化した第1種住居地域の利点は、都市的利便施設がそろっていることです。学校もたいていそばにあります。雪が降ってもすぐ除雪してくれます。舗装道だし交通量もそれなりに多いので、雪も溶けやすい。
 
夏は木々がないので森の中よりは気温は上がります。それでも、東京など大都会の住宅地に比べれば、はるかに土地は広いし安いし緑も豊富だと思います。
 
私たちは、ずっと都市部に住んでいたので、こうした都市的な軽井沢に住む考えはなく検討はしませんでした。ただ冬、降雪があって森の中で雪に閉じ込められそうな時、中軽周辺などの住宅地に住んでいる人たちをうらやましく思うときはあります。
 
軽井沢の森の中で暮らすには、「スタッドレスタイヤ」と「四駆」は必須と思い、我が家は去年初めて四駆の車に変えました(二駆で十分だと言う運転猛者たちもいます)。

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(交換前のスタッドレスタイヤ。ノーマルへの交換は我が家は4月中旬。連休ごろ雪が降ることもある、ということで連休明けに交換する慎重な人もいるようです。)

(ちなみに洗車は雨の中で。軽井沢の水道水は、地下水や湧水が多く含まれているためかミネラル分が豊富のようで、水道水をかけたままにすると表面にうろこ状の白斑が生じてしまいます。そのため水道水で洗車したときは、必ずすぐに拭き取ります。その点、雨水は蒸留水に近いため洗車には最適です。)
 
最後に、アクセスについて。
 
上信越自動車道の碓氷軽井沢ICからの距離では、(a)から(c)の順番で遠くなります。(c)の追分あたりでは、佐久平スマートICや佐久ICのほうが近いです。我が家からですと、東京方面に向かう場合は、佐久平スマートICが最短ですね。長野方面に行く場合には、サンラインを通って小諸ICに行きます。
 
碓氷軽井沢ICからプリンス通り方面までの道は急カーブが多く、夜は怖いと聞いています。また冬になると路面凍結でさらに怖いかもしれません。その点、佐久平スマートIC(山の中腹にあるので、平地に下りるまでちょっとだけ坂道を通る)や佐久IC(これは都市部にあるICです)については、凍結はあまり心配する必要はないと思います。
 
追分に来るのであれば、佐久方面のICを使うのが安全面でもお薦めです。
 
「土地を買う」シリーズ最後、その4では、利便性について書きます。


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2017年05月21日

マイ・ホーム・イン・オイワケ


「ホーム (home)」ってなんだろう。普段はあまり考えませんが、一般的には「マイ・スイート・ホーム」、暖かい家庭、がホームですかね。

私にとって、A home without a dog is just a house. 「犬のいないホームは、ただのハウスである」なんです。我が家には犬が一匹いるので、我が家は「ホーム」なのです。

A home without a dog is just a house.

実はこの言葉、先日行ったとある動物病院の壁に掛かっていたプレートに書かれていたものです。

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この言葉は、home と house の定義をよく表しています。home は日本語で言えば、「我が家(わがや)」。house はただの建物としての「家」。

仕事柄、様々な文献を当たり、適切な英単語や英文を参考にするためよくネット検索をします。あるとき、このような文章を見つけました。

Judith Carboni, a nurse, described home as “a lived experience that possesses deep existential meaning for the individual.”

ジュディス・カルボーニさんは、Homelessness among the Elderly”という書物で「老人介護施設」の在り方を問うた看護師でもある老人学の研究者で、home を上記のように定義付けしているのです。直訳すると、「個人にとって深い実存的意味を持つ、人が暮らしているという経験」ですが、よく意味がわからないので、意訳してみます。「ここで本当に生きて暮らしているんだ、という実感があること」が home。

そして homelessness 「ホームレスの状態」は、the negation of home、つまり「上記の意味でのホームというものが存在していないこと」と言っています。私の解釈では、「生きて暮らしているという実感がないこと」が「ホームレス」なのです。

さらに、home の特徴として7つ挙げています。(1) identity, (2) connectedness, (3) lived space, (4) privacy, (5) power and autonomy, (6) safety and predictability, (7) the ability to journey out into the world。

これを自分なりに解釈したいと思います。

(1) は日本語でも「アイデンティティ」と言っていますが、「自分が自分であること」。home では「自分が自分であることがわかる」ところなのです。

(2) は、みんな(家族)とつながりがあること。単身であっても、隣人や遠くの家族とのつながりも home があれば可能だ、ということでもあると思います。「住所不定」では誰かとつながりを持つのは難しいです。

(3) は、居住空間、自分が住んで暮らしている空間があること。これはよくわかりますね。

(4) は、プライバシー。これもよくわかりますね。避難所生活ではプライバシーを確保するのは至難の業です。

(5) は、「権限と自主性」ですが、まあ「自分で自分の考えで何かをやることができる、許される」ことで、例えば刑務所などのようなすべて命令のもとで許可を受けないと自分のしたいことができない所とは違う、ということだと思います。

(6) は、「安全と予見可能性」ですが、安全はもちろん自分の家にいれば安全です。予見可能性とは、何が起きるか予想できるような状態ということです。自分の家ですからね、何がどこにあって、何をすればどうなるか、はわかります。それも自分の家ならではです。

(7) は、「世界に旅立てること」ですが、これはつまり「ウチとソト」の関係を言っているのだと思います。また、例えば子供のように自立できるほど育ったら、社会に出て行くこと、言い換えると、外の世界に出ていくまで、home にて自立できるまで安全に育つことができる、ということだと思います。

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(理想的なホームのイメージ写真)

これらが home の特性、とジュディスさんは言っているのです。この方は、home とは何かをじっくりと考えたのでしょうね。なんだか、home がとても居心地が良く大切なところのように思えてきます。

逆に言えば、人間にとってこういう場所がないと、社会における人間としての生活ができないような気がします。

ちなみにカルボーニさんは、この定義にもとづき老人介護施設というのは homelessness の状態であるかもしれない、ならば老年期の人間にとっては介護施設は必要なのだろうか、と疑問を呈しているのです。考えさせられますね。

さて、ジュディスさんの言う home と我が家のワンコはどういう関係があるのでしょうか。簡単に考えると、(2)の connectedness に関係すると思います。犬も人類にとって同種の人間以外で初めての家族の一員となった生物です。太古から犬は home の一部だったに違いありません。

jump_liu.jpg
(「ここがぼくのホームだ」)

でも、犬がいないお家でも、この7つの特性があれば、りっぱな home ですから、誤解なきよう。

ちなみに、上記の動物病院には、cat バージョンもありました。ウサギもハムスターも小鳥も、きっとみな同じですよね。


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2017年05月17日

軽井沢に住む - 土地を買う その2


「森の中の土地」300坪を探す場合、「森の中」と言ってもいろいろあります。

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(旧軽近くの散策路)

(a) 旧軽井沢や南軽井沢など、比較的東寄りの地域。
(b) 西武グループが開発した千ヶ滝別荘地、三井の森、など、中軽井沢の南北にある別荘地。
(c) 追分を中心とした地域。

上記の分類は、ちょっとおおざっばかもしれませんが、東から西へ3つに分けました。

(a)と(b)は高級物件もあります。敷地も広く木々も多く、本格的な夏のリゾートという感じです。別荘利用者のほうが多いかもしれません。政治家や著名人たちの別荘もあります。

けっこう早くに開発された別荘地は、当初ハイクラスであっても、今となると「廃墟」っぽい建物も目立ちます。

中軽の「千ヶ滝別荘地」や「三井の森」などは、域内道路は比較的広く舗装されています。別荘地は、大規模開発地だと域内道路は管理会社が管理するので、除雪もしてくれるでしょう。でも必ずしもすぐに除雪車が来るわけではないようです。また坂道だと、冬は積雪や凍結で走行困難(恐怖)になりがちです。

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(雪の追分小径)

(c)は私たちが住む追分で、定住者も多いと思います。比較的庶民的と言ってよいでしょうか。域内の道路は、場所によって町道であってもあまり舗装されていません。追分は比較的平坦なので冬季の道路走行もスタッドレスタイヤに四駆であれば、それほど怖くありません。

5月も過ぎるといよいよ木々に緑が戻ってきて、「森の中の小径を歩く」というのがまさしく文字通りの意味になってきます。

さて、天気について書きます。

実は軽井沢は地理的な要因で、天気が西と東ではけっこう違うのです。西から東に行くにつれ天気がぐずつき気味です。追分のほうが晴天の日は多く旧軽は霧がよく出ます。

佐久市や上田市などの軽井沢の西側に広がる地域は、日本の中でも特に日照時間が長いところなので、その影響を受ける追分も天気の良い日が多くなります。

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(晴天率が高いのであちこちにソーラーパネルが設置されている)

東に行くにつれ晴天率が下がるということは、逆に湿気は多くなり、夏だけ別荘として過ごすのには、ひんやりしていいかもしれません。でも通年となると、湿気が問題になります。特に敷地内にたくさんの木を残しておくと、非常にリゾート雰囲気は出て、夏の避暑には最適ですが、日光を遮るので必然的に湿気が多くなります。

その3は、「1000平米規制がない市街地(第1種住居地域など)」についてまとめます。


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プロフィール
ブログネームは、ロンド。フリーの翻訳者(日英)。自宅にてiMac を駆って仕事。 2013年に東京の多摩ニュータウンから軽井沢の追分に移住。 同居人は、妻とトイプードルのリュウ。 リュウは、運動不足のロンドを散歩に連れ出すことで、健康管理に貢献。 御影用水温水路の風景に惹かれて、「軽井沢に住むなら追分」となった。