2017年10月17日

時々、ベジタリアン


ベジタリアンと言えば、「菜食主義者」。その程度にしか理解していませんでした。

このごろよく聞くあらたなカタカナ英語、「ヴィーガン」。軽井沢にも「ヴィーガン料理店」が最近オープンしています。

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(軽井沢バイバス、塩沢交差点そばの森の中にたたずむ古民家が、ヴィーガン料理店の「緑友食堂」。テラスもあってペットと一緒に食べられる。)
 
ベジタリアンやヴィーガンの音だけ聞いていると、なんかもうエイリアンみたいです。

「菜食主義者」とは、「肉類は健康に良くないので食べない」のかと思ったら、違いました。「動物虐待反対」なんですね。深い意味があったのですが、もちろん日本で生まれた考えではありません。日本人はもともとベジタリアン的な食生活をしていましたから。

肉食が主食で、家畜を大量に処理する西洋だからこそ、こういう考え方が生まれたのでしょう。でも健康上の理由も大きいと思います。肉ばっかり食べていたんじゃ、確かに体に悪いですから。

ベジタリアンも驚くほど種類があります。かつて購読していた Time 誌にベジタリアンの特集があって、何タイプものベジタリアンが説明されていました。例えば以下のような種類です。

(1) Vegetarian (ベジタリアン):これが基本で、動物、鳥類、魚介類の肉を食べない。動物性のものは食べないということ。

(2) Lacto-ovo vegetarian (ラクト・オボ・ベジタリアン):ラクトはミルク、オボは卵。つまり乳製品や卵も食べない、菜食主義。これはそれぞれ「ラクト・ベジタリアン」と「オボ・ベジタリアン」に分かれます。前者が「乳製品は摂らないが卵類は摂るベジタリアン」で後者が「卵類は摂らないが乳製品は摂るベジタリアン」です。

(3) Pescatarian (ペスカタリアン):pesca- は「魚」を意味し、肉類は摂らないが魚だけは食べること。どちらかというと健康上の理由でペスカタリアンになる場合が多いようです。

(4) Vegan (ヴィーガン):これは、乳製品も卵も、動物類から派生した製品も一切摂らないベジタリアン。完全菜食主義です。

(5) Flexitarian (フレクシタリアン):何かジョークみたいですが、時々ベジタリアンになる人のことを、こう言うようです。フレキシブルなベジタリアンということでしょう。これはどちらかといえば日本人ですよね。

Times 誌では、(4)はあったかなあ、よく覚えていません。(5)は確かにありませんでした。新しい言葉でしょう。

明治以前の日本人はほとんどペスカタリアンでしたが、肉を食べなかった理由は、宗教的な考え方からだと理解しています。神道の「穢れ(けがれ)」を嫌う考え方です。肉を食べるというのは、動物の命を奪うことですから、それを嫌ったわけです。「穢れ思想」が定着する前から、具体的には稲作が始まってから以降、基本的に日本人は菜食だったと思います。

例外もあります。マタギなど、縄文人の血を濃く残していると言われている人々や狩猟採集の習慣を維持していた人々は、今で言う「ジビエ(狩猟肉)」で生活していました。侍とか兵士のような職業の人々は、やはり体力上の理由で時には肉も食べていたようです。

ちなみに、「菜食主義的」な日本人が長生き、というのは、日本食だけが理由ではないそうです。例えば今は違いますがかつての沖縄は長寿の島だった。その理由は「豚肉」をよく食べていたから、と聞いたことがあります。日本人の寿命が延びたのは、近年の「健康的な日本食+適度な肉食」ゆえとのこと。やはり動物性食品なしでは、完全な健康体にはなれないのでしょうか。

ところでご存知かと思いますが、現在長野県は男女とも日本一の長寿県です。おいしい新鮮野菜をたっぷり食べられるからでしょう。

現代の大量肉生産状況から考えると、動物虐待反対のヴィーガンになるのも理解できます。大量の肉を摂取しなければならなかった欧米では、「愛護意識」が強く働いたのでしょう。日本では、それほど肉食ではないので、そういう意識もあまり働かなかった(ただし供養はしている)。

しかしよく考えると、多くの生物は、他の生物を摂取して生きてきたわけで、人間もそうやって生きてきました。それが生きるということでしたから。そのおかげで知能が発達し、「おもいやり」のような感情が発達し、他の生き物の命を奪うことを躊躇するようになった。

一部の団体が日本のイルカやクジラ漁を批判しています。イルカやクジラは知的生物という理由ですが、ブタもけっこう知的で、犬以上だそうです。であるならば、家畜屠殺にも反対してくださいね。

いろいろな考え方がありますが、いずれにしても生命体が知的になって、高度な知性を得てくると、生きるのがむずかしくなる、ということです。完全な解決法は、さらなる科学の進歩しかないですね。

(1) 動物性食料を、完全合成する(クローン技術とかバイオ技術とか駆使し、人工的手段にて動物の肉と同じものを作る)。
(2) 植物由来の食糧を改良し、人体が必要とする動物性要素を補完する。
(3) 動物性食料を摂らなくてもよい肉体に改造する。

なんだかSFの世界です。

軽井沢のヴィーガンレストラン「緑友食堂」は今年の春開店。「肉のようで肉でない」ハンバーグはタカキビで、白身魚のフライはヤマイモとヒエをもとに作られています。食感や味は肉みたい。海老のフライ風に仕立てられたのはニンジン。彩りがきれいでした。日本はこういう「肉の代替品」は昔から作ってきました。がんもどきがそうです。最近では「豆腐ハンバーグ」もあります。
 
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(「緑友食堂」の「雑こくプレート」)
 
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(「高きびハンバーグ」)
 
こういう技術は日本人が得意とするものなのかもしれません。ベジタリアン時代も日本の料理技術は活躍することでしょう。

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(追分宿そばのガーデニング専門店「フラワーフィールドガーデンズ」に併設されているヴィーガン料理店「RKガーデン」のランチ)
 

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posted by ロンド at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | おいしいもの
プロフィール
ブログネームは、ロンド。フリーの翻訳者(日英)。自宅にてiMac を駆って仕事。 2013年に東京の多摩ニュータウンから軽井沢の追分に移住。 同居人は、妻とトイプードルのリュウ。 リュウは、運動不足のロンドを散歩に連れ出すことで、健康管理に貢献。 御影用水温水路の風景に惹かれて、「軽井沢に住むなら追分」となった。