2018年06月12日

ニセの蜜


世の中、ニセ文書など「ニセ」の山で一般市民は憤っているが、我が家を困らせている「ニセ」は、「ニセアカシア」の木である。

ニセアカシアは俗称で、和名は「ハリエンジュ(針槐)」。世間一般には「アカシア」だと思われていることが多いが、「アカシア」とは別の木である。

「アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい」という西田佐知子が歌う「アカシア」や、長野県特産の「アカシアはちみつ」の「アカシア」も本当は「ニセアカシア」。札幌のアカシア並木もよく見れば、「ニセアカシア」以外の何物でもない。

花はきれいで香りが良く天ぷらにして食べられるというが、ニセアカシアは我が家にとってはやっかいな木だ。茎や枝には鋭いトゲが生えており、根から芽が出て木になる旺盛な繁殖力。根は深く抜根がむずかしい。

Soaring_Nise.jpg
(近所に生えているニセアカシアの大木)

そんな木が我が家の周辺には何本も生えており、5〜6月の満開を過ぎた白い花が庭に落ち、芝にこびり付いて取れない。秋になると、枯れ枝が落ちてくる。鋭いトゲのため簡単に手では触れない。もう何度指を刺されたことか。庭で走るのが大好きな我が家の犬が踏んだら、そく病院行きだ。自分の土地に生えているわけではないので、伐採できるわけではない。芽が出てきたら、見つけ次第除去するしかない。悩みの種、いや木である。

big thorns.jpg
(ニセアカシアのトゲ。「バラ用の手袋」を使っていても、刺さる。)

しかしそんなニセアカシアも、その白くきれいな花には花粉と蜜が多い。生態系において重要な位置を占めるニホンミツバチにとっては、命の泉である。同様に養蜂業者にとっては生命線である。

追分でも、小さなミツバチは花から花へと飛び回り、養蜂業者の巣箱も見かける。旧軽銀座で有名な「ハチヒゲおじさん」の養蜂場も追分にある。

Hachihige.jpg
(旧軽井沢銀座にある「ハチヒゲおじさん」の店。ちょうどおじさんが店頭に出ていた。外国人客が通ると、英語や中国語で呼び掛けている。)

そこから採れる甘いハチミツは、消費者であれば誰でも味わうことができる。有効成分たっぷりの滋養食である。

さて、世の中にはびこる不正もニセアカシアと似ていないこともない。ニセの報告書、ニセの調査資料、ニセの測定値。若者を育てる教育者、国政を補佐する官僚、国を運営する政治家であるべきなのに、中身はニセだったりする人々。すべて「本物」としてまかり通っている。

その「ニセ」から採れる甘い蜜は、きっとどこかで誰かがこっそり吸っているのだろう。


読んでいただきありがとうございます。
クリックして応援いただけるとうれしいです。

↓↓↓
にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 北佐久郡軽井沢町情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村

posted by ロンド at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然の驚異
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/183492484
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
プロフィール
ブログネームは、ロンド。フリーの翻訳者(日英)。自宅にてiMac を駆って仕事。 2013年に東京の多摩ニュータウンから軽井沢の追分に移住。 同居人は、妻とトイプードルのリュウ。 リュウは、運動不足のロンドを散歩に連れ出すことで、健康管理に貢献。 御影用水温水路の風景に惹かれて、「軽井沢に住むなら追分」となった。