2017年07月25日

軽井沢のハラール


「国際的リゾート」軽井沢は平和の町。観光の町。みんなが安心して楽しめる町。

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(観光客で混み合う夏の旧軽銀座)
 
「軽井沢英語観光ガイドの会」も研修など活発に行っていて、これから増えてくる英語での観光ガイド需要に備えがんばっています。実は私もメンバーなのですが、今は本業の翻訳が忙しく、ガイドというのは片手間ではできないので、当分参加は無理かな、と思っています。

さて軽井沢で一番多く見られる外国人観光客は、私の観察では台湾からの旅行客。旧軽銀座ではよく見られます。ハルニレテラスでは、中国語の他に英語や韓国語が聞かれます。

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(夏休みに入りにぎわうハルニレテラス)
 
先日の政府(観光局)発表によると、2016年度に来日した外国人数は、過去最高の約2,403万人。若き日私が通訳ガイドをやっていた時、外国人観光客はわずか300万人。日本人の海外渡航者が1千万人。まさに隔世の感があります。

政府は、2020年の訪日外国人観光客数を4千万人にすると発表。本気ですか。それには人が係わる受け入れ態勢はもちろんのこと、たくさんのインフラ整備も必要だと思います。「東アジア以外」からの観光客を増やしていくことも必要とされています。

東アジア以外の主要な国々といえば、マレーシアやインドネシア。さらに世界を見渡しお金を持っているのは、中東の国々。オイルマネーですね。つまりは、今後「イスラム圏」からの観光客を増やしていくことも重要かと思われます。

そこで重要になってくるのは、「食べ物」。そう、「ハラル(ハラール)」。ハラルとはイスラム法において食べることを許された食べ物や料理のことで、基本的にイスラム教徒は「ハラル」の食べ物を食べます。

それは知っていましたが、なんと軽井沢にも「ハラル認証の食べ物」を売っているお店があったのです。

それは、旧軽銀座チャーチストリートにある「フィーヌ軽井沢店(FINE Karuizawa)」。ここでは「ハラル認証」のジャムを売っています。ハラル認証を受ける、ということは、イスラムの教えによる「食べても良いもの」であり、教えに則った加工方法、調理方法により作られたことが証明されていることを意味します。

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(旧軽銀座チャーチストリート内にあるFINE軽井沢)
 
ちなみに、フィーヌのジャムはマレーシア政府の公認を受けている会社よりハラル認証を得ているとのこと。製造ラインの1つがハラル専用ラインになっていると、店の方に聞きました。

ただ現在は「ハラル」ラベルは貼っていないとのこと。当初ハラルラベルを貼ったハラル商品を非ハラル商品とは分けて陳列したのですが、戸惑うお客様が多かったということ、実際にハラル商品を求めたイスラム教徒のお客様がいなかったこと、などから今はラベルを貼っていないとのこと。しかし貼っていないだけで、ハラル認証商品であることには変わりはなく、同店舗入って左側奥の商品がそれに相当します。

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(ラベルは貼っていないがハラル認証のジャム。左が信州産ブラックカラント、右が信州産サンプルーン)
 
世界におけるイスラム教徒の数はだいたい16億人。ほとんどは平和を信条とする私たちと同じような人々です。生活に余裕が出てくれば、日本に来たいと思うでしょう。フィーヌのように、そういう人たちを受け入れるためには何が必要かを率先して考える企業や団体も出てきています。2020年東京五輪に向け、ハラル対応はますます進むものと思われます。

私は個人的にガイドもやっていたし英語を仕事にしているので、世界の人々の文化や宗教や言語に非常に興味があります。そこで、イスラム教徒とはなんぞや、と思い、その原点である「コーラン」を読んでみようと思い立ち、電子版の「コーラン」を買いました(ダウンロード)。岩波現代文庫、井筒俊彦翻訳の現代語訳「コーラン」電子版です。

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(アラビア文字で書かれたコーラン)

 まだ読んでいる途中ですが、モハメット(ムハンマド)は苦労されたのだな、というのが第一印象。ムハンマドの口を通して発せられたアッラーの神の壮絶なお言葉が並んでいるのですが、そのようなことを伝えなければならないほど、当時の中東世界は混乱を極めていたのだと思います。

ご存知のように、ユダヤ教、キリスト教の神「ヤーウェ(エホバ)」とイスラム教の「アッラー」は名目上は同じ。一神教の神様です。

また、内容的に誤解されている部分も多いと思われますが、「目には目を」は有名で、「やられたらやりかえせ」を推奨しているように聞こえます。これはイスラムの専売特許でさえありません。

もともとは紀元前18世紀の「ハンムラビ法典」に記されている規則で、旧約聖書にもある「同害復讐法」(刑罰の規則)です。「他人の命を奪った人は、自分の命を持って償え」ではありますが、昔は「1人やられたら10人やれ」みたいな倍(以上)返しの私闘がまかり通っていたのでしょう。それじゃ復讐の連鎖は終わらない、ということで、「目には目(だけ)」という当時としては「人道的」な罰則規程をハンムラビ王が制定したわけです。

さらにコーランでは、この規程を用いずに、もっと別の穏やかな手段で罰することを選んだならば、それは贖罪になる、徳を積むことになる、と言って、アッラーの神様は平和的手段を推奨してもいるのです。

深くは踏み込みませんが、とにかくコーランは聖書も同じですが「当時の状況を踏まえて理解する」ことが大前提なのです。

内容とは別に驚いたのは、「コーラン」の原語「クルアーン」は読誦を意味している。つまりはコーランは「音読する」ことを前提に書かれた聖典なのです。YouTubeで音読されるコーランを聞いてみるとわかりますが、非常に荘厳で心が洗われるような雰囲気があります。

仏教の読経は葬式等で何度も聞いたことがありますが、特に北大路欣也が空海を演じた映画「空海」での読経(真言宗)、崇高ささえ感じました。また、かつてバチカンの教会で体験したカトリックのミサも厳かな空気に圧倒されたのを覚えています。

望むべくは、そうした心洗われる部分だけが行動に反映されるとうれしいのですが。みんな平和で仲良く、軽井沢に来て楽しんでほしいですね。


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posted by ロンド at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際
プロフィール
ブログネームは、ロンド。 2013年に東京の多摩ニュータウンから軽井沢の追分に移住。今年還暦に。 同居人は、妻とトイプードルのリュウ。 ロンドは、フリーの翻訳者(日英)。自宅にてiMac を駆って仕事。 リュウ(13歳)は、運動不足のロンドを散歩に連れ出すことで、健康管理に貢献。 御影用水温水路の風景に惹かれて、「軽井沢に住むなら追分」となった。